占いの根拠・大元編2-生年月日と運の関係-
さて、占いで最も一般的な「生年月日と運の関係は?」というところへ進みます。
「生年月日を元にする占い」では特定の年月日時、特定の場所には、特有の波動エネルギーがあると考えられています。要するにその特定の場所や時間の波動エネルギーを特定するためのパラメーターとなるものが、生年月日や出生時間、出生地などになります。
基本的に生年月日を基にする占術で、「命術」といわれる物は「生年月日時の情報を等を基に、運命に影響を与えるであろうエネルギーのパラメータを算出して、運命を推測」します。
一般的な生年月日の占い方では「生年月日時の数字」そのものが運命を左右する要素ではないので、生年月日がどの暦によって表されているかによって結果が左右されることはなく、太陽や月の運行と関連づけられた「専用の暦」のどの日に当たるのかを調査し、占いに用いる象徴(パラメーター)に換算されます。
但し「数秘術」などの「生年月日の数字そのものの意味」で占いをする方法は、また特別なので他の生年月日を用いる占い方法とはちょっと思想が違います。
「カバラ」などとも呼ばれる「数秘術」は、占いの分類的には「生まれた時」を問題にする「命術」ではなく、「数字の並び」を元に運命を推測する「相術」に分類されると考える人も多いようです。
星座占い、星占いなどでメジャーな西洋占星術などではその場所から見える星の配置を基に、「どのようにその瞬間のその場所が認識(イメージ)され、どのような意識エネルギーの場を持つのか」ということを推測します。
また四柱推命などでは、陰陽五行説に基づいた暦を基に、その日、その時間のエネルギーを意味する象徴キーワード(十干・十二支)を出し、そこの関係性から運命を推測します。
占星術や四柱推命で生年月日や、出生時間が重視されるのは、「生まれた瞬間の天体の配置からもたらされる理論やイメージ、陰陽五行説による理論と、その人の運命(魂)のエネルギーが一致している(同調している)」という理論と、それらの理論と過去の経験則、事実の一致が大量にあったためであり、生年月日や出生時間、出生地は「その人のプライベートな顔を象徴(イメージの基・シンボル)する要素」であるとも考えられています。同じ1日内でも昼と夜、朝と夕方では全くイメージが違います。ですから、出生時間や場所は重要なポイントとなります。
「個人の『地上での存在』を最もはっきり象徴するもの」が生まれ落ちた瞬間であり、それがその人の運命と大きな関わりがあるのではないかということが仮説として立てられ、莫大な統計で理論化されてきたものが「命術」といわれる生年月日を用いた占いの根拠となります。一見運命とは何の関係もないだろうと思われる生年月日が、真っ先に占いで用いられるのにはこれらの理由があります。
ただ、運命の初期値自体は、「受精時に決まる」とか、出生時に「自発呼吸をすることで宇宙の天体のエネルギーを取り込むから」(西洋占星術など)だとか、「もともと運命が決まっている魂がその象徴となる日時に地上に生まれる」(スピリチュアル)からだとか等の複数の説があり、結論に至るまでにはさまざまな研究や議論が必要となるでしょう。いろいろ調べてみると、多分どれか一つだけが正解ではなく、どれもある程度関係し合っているという所が本当の所のような気がします。
占い方を知らない一般の方にとっては 一番の疑問になることでしょうから「占い方の専門書」には詳しく載っている事ですが、天体などのシンボル(象徴)と運命の関係についてちょっとだけ書きます。
西洋占星術では「出生時の太陽の位置」などがその人の運命の重要なパラメータになりますが、太陽というのは「万物を育む存在」であり、地球のある「太陽系において中心、核となる存在」です。ですから、その太陽は「その人の核となるもの」を意味する、といった感じで意識エネルギーのイメージがつくられます。
また月は、日々満ち欠けが変化し、日常的に変化を意識しやすい天体として存在しており、更に太陽の光を反射し地表に降り注ぐ鏡のような存在であり、熱さを感じる光の太陽が陽であれば、熱くない光の月は陰のイメージです。
月は、満ち欠けによる見える姿の変化や地球の自転などの環境変化によって、状態が細かく変化する「受動的な物」といったイメージをもたらし、環境によって変化しやすい「人の感情」の象徴や、満ち欠けなく万物を照らす太陽の対となる存在のイメージとなります。
これらの「イメージ」が「人の性格」や「運命に実際にどのように作用するのか」を考えたり、読み解くのが占星術による占いの作業となります。
上記の太陽と月の組み合わせでいえば、太陽と月が同じ場所にあるとき、すなわち「新月」では本人の核と裏の顔が同じ状態であると見なされ、「表裏のない人柄」といったイメージとなり、そういう占い結果になります。
また、どの星座サインにあったかによって、その星座のイメージエネルギーが付加されます。例えば、太陽が獅子座であれば、「(ライオンのように)誇り高く、些細な物事に動じない」といったように、その星座サインのイメージを「その人の存在そのもの」として対応させ、太陽(前例にあるようにその人の存在)のイメージとして解釈、判断されます。
こういった象徴イメージの影響を、大量の項目で互いに関連させながら、読み解き、立体的に人の性格や運命を推測するというのが占い師の行う作業となります。
さて、「生年月日が人の運命にとってどのような関係を持つのか」という本題の問題に関わるポイントへ戻ります。
運命の初期値が決まるのが受精時なのか、それとも出生時なのかという点で考えてみます。
「受精時決定説」をあげる人の主張では、
「出生時に運命が決まるとすると、帝王切開での出産が一般的となった現代ではその理論に適合しない例がある」こと。
その事例を元に、
「本来は受精時に既に運命が決まり、それに見合った時期に自然分娩で出生するというのが本来の運命ではないか。」
「そして現代では帝王切開などで、自然分娩の時間とは出生時間がずれてしまうので、受精時に決まった運命パラメータと、実際に生まれた人の運命パラメータが一致しない事例がある。」
そしてこの主張が決め手と主張する理由は、
「実際の出生時間と、占いの理論上の出生時間で、実際の事例(物事が起きた時期や人の性格など)を比較すると、占いの理論で修正され導き出された仮定の生年月日時の運命算出パラメータの方が、実際の生まれた時間から導きだれる運命算出パラメータよりも、先天的後天的な現実的な事象に一致する事例がある」という点にあります。
ところが昔はよくあった、「戸籍上の生年月日」と、「実際に生まれた生年月日」が違う人の運命を、当たると実績のある占いの理論で比較検討してみると、実際の生年月日よりも数日ずれていることもある「戸籍上の生年月日」で算出したもののほうが、実際の生年月日から算出した物よりも様々な運(後天運、特に社会運)ではよく適合するという事例があることです。
自然分娩で生まれた人達が多い時代によくある、生年月日と届け出の生年月日のずれが多いような年代の方々の場合でそうですから、「受精時に決まる」という考え方でも矛盾する例があり、議論の決定打にはならないだろうということになります。
もちろんこの場合でも実際の生年月日時での占い結果が全く一致しないということではなく、プライベートな面での性格・気質等は実際に生まれたのデータによる占いの方が現実と一致する面があるようです。
すなわち、いつ何処で何時に生まれたのかだけではなく、「どの生年月日を公称して使うのか」ということによっても運命を左右する要素があるということになります。
さらに「運命の決まった魂がそれに見合った時期に受精し生まれて来る説」は、これを包括してしまうのでこれだけでは「受精時で運命が決まる」という説が正しいといとも「生まれた生年月日時・場所で決まる」ともいえなくなります。
これは前述の「占いの根拠・大元編」にあるように、「何かをイメージさせる物はすべ運気に影響する」という理論通りで、生年月日自体にも象徴的エネルギーがありますので、それが運命を左右している面があるからだと思われます。
色々な点を総合すると、占いにおける生年月日の役割・意味・運との関係というのは、運命を象徴し、運勢を左右するエネルギーの状態を導き出すためのパラメータのひとつであるということだけです。
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